カメラ片手にふらっと気ままに出掛けた先での写真たち
Release #4「十勝の動物たち」 北海道・十勝・帯広・豊頃・音更
十勝は比較的容易に野生動物に出会える場所である。
それは住宅地でも例外ではなくキタキツネが姿を見せたり街中には「リス注意」の標識があり実際に道路を横断する姿もよく見かける。
その他にも鹿やヒグマ・フクロウ・猛禽類等に会うことができる(ヒグマには遭遇したくはないが・・・)。
雄大で厳しい自然の風景と野生動物のコラボレーションは感動的でありながら、生と死の狭間で懸命に生きる命を生々しく私達に伝えてくれる。
今回は約1年間で撮影した野生動物達の写真を紹介していく。※一部、十勝ではない撮影場所も含む。
「キタキツネ」
北海道といえばキツネを想像する人も多いのではないだろうか。
とてもかわいい姿をしているが体内には「エキノコックス」という寄生虫を持っており直接触れる事で感染するため餌やりや触れる事は絶対にしてはいけない。
また、人間の食べ物は自然界にはない甘みや添加物が入っており、それを食べる事でキツネの免疫力を低下させ病気を発症し死に至る事もある。人に慣れてしまう事で人間の住む場所まで餌を求めて出てきてしまい交通事故により死んでしまうキツネも多くいる。
自然の生態系を守るのは私達の心掛け一つである、見かけても「近寄らない」「食べ物を与えない」こと。キツネに限らず野生動物に出会ったら遠くからそっと見守ってあげてほしい。
「エゾリス」
エゾリスも近くの公園や神社などでよく見かける。
とてもすばしっこく警戒心も強いため人間が近づくとすぐに逃げてしまう抜群の身体能力で木の枝から枝へすばやく飛び移ったり一瞬で地上から木のてっぺんまで駆け登る姿はまるで忍者のようで見ていてとても楽しい。
躍動的で愛らしいエゾリスにも天敵は多く時にはカラスに襲われる事もある。
木の下から上へ螺旋状に駆け登るエゾリスをどの角度からも攻撃できるように、その木の周りを複数のカラスが囲い込むという賢いカラスの攻撃にはエゾリスも敵わない。
ある時、エゾリスを狙うカラスに気づいたおじさんがゴルフクラブで追い払っていた。
私も見かけたらきっとエゾリスを助けたくなると思うが、カラスの身になれば生きるための必要な手段である。自然の摂理には抗えないと分かっているが複雑な気持にさせられるのも事実。
「ふくろう」
撮影場所が神社という事もありとても神々しく、守り神のような存在感があった。
神社などはエゾリスやふくろう、エゾモモンガ、野鳥などの珍しい野生動物が多く暮らしているが、その姿を写真に収めようと多くのカメラマンが昼夜問わず訪れる。
撮影者が野営をしたり、また飛び立つ姿を撮影したいと動物達に向かって石を投げたりするマナーの悪いカメラマンも一部存在するらしくカメラマンに対して良い印象を持っていない人たちもいる。
ある神社では時間帯によって撮影禁止の案内がされている場所もあるため撮影をする際はその点を確認し当然であるが動物達を危険な目に合わせたり嫌がらせをする行為は絶対にしないでほしい。
相手は野生動物であり人間の思うようには動いてくれる事はない。「決定的なシーンが撮影出来るか否かもまた自然に任せる。」それがルールだ。
「エゾシカ」
性格はとても臆病なため人間に気づくとすぐに逃げてしまうが、ふらっとドライブすれば探してなくても高確率で出会える野生動物である。
天敵だったエゾオオカミが絶滅した事や雑木林が農地に変わり新しい餌場となった事などが原因で繁殖しやすくなり生息数が増え農業被害も出てしまっている現状がある。
最近では個体数を一定に保つため、捕獲等による管理も行われている。
鹿肉は高タンパク低カロリーとして有名になり「ジビエ料理」などで人気の食材となっている。私も鹿肉のシチューを食べた事があるが丁寧に下処理をされており野性的な風味がありながらもホロホロに煮込まれ食べやすく美味しくいただくことができた。
以前、旭川方面を車で走行中に立派な角を持つ雄鹿が歩道を歩いていた、
そのあまりの大きさにとても驚いた事があった。
時折道路を横断する鹿と接触事故を起こす事も多いため北海道をドライブする時は本当に注意が必要である。巨大な鹿に衝突すれば鹿のみならず自動車も負けてしまうという。
「オジロワシ」
オジロワシといえば越冬地である知床が有名であるが十勝地方でもその姿を見ることができる。
Release#2でも紹介したが豊頃町にある大津海岸付近ではオジロワシや鳶の姿を間近で見ることができる。
また、十勝川付近でも大鷲やオジロワシを観察できるスポットがある。
その中で最も驚かされたのはカラスの存在である。
自分の何倍もある大きなオジロワシや鳶達と対等に餌の取り合いをしているのである。中には鳶を追いかけ回して追い払うカラスまで存在する。
なんとも強気で攻撃的なのだろう・・・カラス恐るべしである。
猛禽類の撮影は「ジュエリーアイス」で有名な大津海岸(北海道中川郡豊頃町)で行った。